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インタビュー|Butcher Brown の “Solar Music”:伝統と現代を交差させる聴覚の銀河旅行

2026.02.26

Music

Billboard Live TAIPEI

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バージニア州出身の Butcher Brown は、自らを「純粋なジャズ」という枠に閉じ込めることを拒み、ヒップホップ、ソウル、ファンクを爆発的なブラスサウンドへと大胆に融合させる。かつてジャズの純粋主義者から「異端」と見なされた彼らは、今や世界の音楽シーンに変革をもたらす先駆者となった。2月28日、この「聴覚のナビゲーター」たちが最新アルバム『Letters From The Atlantic』を携え、ついに台湾初上陸を果たす。Billboard Live TAIPEI のステージで、スタジオ録音の緻密なディテールが、ライブならではの壮大な旅へと昇華される。

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回答者:Tennishu(Trumpet, Saxophone, Vocals)

1. 台湾での公演は今回が初めてですが、これまでに台北を訪れたことはありますか?また、オープンして間もない新しい会場(2025年11月オープン)でのパフォーマンスということで、日本のファンや台北の観客に、事前に明かせるサプライズなどはありますか?

台北で演奏できることを、メンバー全員とても光栄に思い、ワクワクしています。僕たちの作品を聴いたことがある人なら、ライブパフォーマンスにおける細かなニュアンスの違いに驚くかもしれません。録音されたものも一つの形ですが、ツアーを重ねるごとに楽曲は進化し、全く新しい編成へと生まれ変わります。台湾の皆さんは、非常にダイナミックで驚きに満ちたバージョンを聴くことになるでしょう。ぜひ期待していてください。

2. 最新アルバム『Letters From The Atlantic』の中で、台北公演で演奏するのが最も楽しみな曲はどれですか?

間違いなく「Ibiza」がハイライトになるでしょう。僕たちはこの曲を強い信念を持って演奏しています。それによって、自分たちも台北の観客も興奮させるような実験的なアプローチが可能になるんです。当日、皆さんが耳にするのは間違いなく「ベスト・バージョン」になります。

3. 皆さんのスタイルは非常にユニークで、バンドにおける「単一のリード楽器」という伝統を打ち破り、各楽器に自由な表現空間を与えています。このアプローチのきっかけは何だったのでしょうか?

学生時代に研究したジャズの巨匠たちからの影響が大きいと思います。マイルス・デイヴィスはその手法の達人でした。僕たちが愛するアーティストの多くは、それぞれ異なるスキルセットを持つ仲間たちに囲まれていました。だから、楽器同士で競い合うのではなく、録音やパフォーマンスにおいて「何を表現すべきか」に重点を置く。成功しているバンドは、一つの生命体のように協働しています。それが彼らの原動力であり、僕たちもその思考を取り入れました。

4. 「インディー・ミュージック」というバックグラウンドから主流へと切り込んできましたが、当時、自分たちの作品が音楽シーンを変えるかもしれないという予感はありましたか?変革には抵抗がつきものですが、プレッシャーを感じた具体的なエピソードはありますか?

「音楽を変えてやろう」なんて野心を持って始めたわけではありません。僕たちの原動力は、ただこの仕事への純粋な愛です。常にクリエイティブな人たちに囲まれていること、それが僕たちを動かしているのであって、他人に与える影響を考えているわけではないんです。 ただ、プレッシャーは確かにありました。それはジャズ界からの圧力です。歴史ある企業と同じように、上層部は現状維持のために中層に圧力をかけます。先人たちが道を切り拓いてくれたことは事実ですが、昔のやり方が今も通用するとは限りません。歴史ばかりを振り返るわけにはいかないんです。純粋主義者や同世代からも「伝統を守れ」「エネルギーを入れすぎるな」という声はありましたが、僕たちは縛られるのが嫌いなので、あえて別の道を選びました。

5. 初期、皆さんは「僕たちの音楽を聴いてみて」というシンプルなメッセージを発信していましたが、当時は「異端」扱いされることもありました。今振り返れば、それはグローバルな潮流に合致していました。非伝統的なものを創造する際、異なるコミュニティや観客の間に架け橋を築くために最も重要なマインドセットは何だと思いますか?

最も重要なのは、まず音楽的なルーツをしっかり築き、その文化や教えてくれた師匠を尊重し、彼らが何を伝えようとしているのかを深く理解することです。音楽と文化を結びつけて研究する時間を惜しんではいけません。僕たちが強いのは、音楽を徹底的に掘り下げ、その中に没入しているからです。どのジャンルに対しても、それは「敬意」の問題です。 僕たちは多くのスタイルを演奏し、素早く切り替えます。動きが速すぎるため、敬意が足りないと解釈する人もいるかもしれませんが、幸いにも僕たちは多くのスタイルを深く理解しています。音楽は、自分が注いだ分だけ、必ず応えてくれます。僕たちはただ、異なるフレーバーを提示しているだけ。それを忘れないことで、常に新鮮さを保ち、人々と繋がることができるのです。

6. 当時、世界中で多くの人が皆さんと同じような考えを持っていました。台湾にも「音楽のパイオニア」たちがたくさんいます。華語圏のアーティストの作品を聴いたことはありますか?

僕たちは常に世界中の音楽からインスピレーションを受けています。だから、台北に行って現地の音楽を発掘するのが待ちきれません。現地のアーティストについても、もっと深く知りたいと願っています。

7. 台湾に対する事前の印象はどうでしたか?行ってみたい場所や食べたいものはありますか?

台湾と台北には非常に深い歴史があるという印象を持っています。アメリカで育った僕には、まだその深さを完全には理解できていないかもしれません。だからこそ、現地にどっぷりと浸かり、聞き手となってその文化を体験したいです。食に関しては、台北の「朝食文化」にとても興味があります!皆が仕事に行く前に何を食べているのか、それをぜひ試してみたいです。

8. 常に挑戦を続けるアーティストとして、今年のプランを教えてください。また、ずっとやってみたかったけれど、まだチャンスがなかったことはありますか?

今年の計画は、レコーディングスタジオの内外を問わず、新旧の友人たちとの絆を深めることです。常に新しい音楽を録音していますし、今年はニコラス・ペイトンやナイジェル・ホールといったアーティストとのコラボレーションも楽しみにしています。 ミュージシャンとしてずっとやってみたかったのは「スタジオ・ツアー」です。週末、友人たちと一緒にスタジオにこもり、寝食を忘れて音楽を作り続ける。今年はクリエイティブな面で、そのスタイルに挑戦したいと思っています。

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Solar Music(ソーラー・ミュージック)の航路がいよいよ台北に到達し、朝の喧騒の中へと駆け抜ける。2月28日の夜、ぜひこの船に乗り込んでほしい。Butcher Brown が奏でる実験的なリズムの中に、音楽の最も自由で、最も野性的な姿を目撃することになるだろう。

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