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笑顔と鍵盤の魔法!ハラミちゃん Billboard Live TAIPEI 公演レポ

2026.03.28

Music

かつて挫折を味わい音楽の道を離れた一人の会社員から、YouTube総再生回数9億回を突破し、女性ピアニストとして15年ぶりに日本武道館での単独公演を成し遂げたポップスピアニスト -ハラミちゃん。彼女の歩んできた道のりそのものが、多くの人々に勇気を与える逆転の物語です。ファンを「お米さん」と呼び、自らを「お肉(ハラミ)」に例え、ピアノを日常の主食のように身近な存在にしたいと願う彼女。今年初めのパリ公演を経て、3月7日、ついに Billboard Live TAIPEI のステージに立ちました。

会場に入ってまず目を引いたのは、観客全員に配られた「リクエストカード(何でもOK)」でした。この小さな試みが、入場した瞬間から今夜のステージへの期待感を生み出し、ハラミちゃんの親しみやすさと、自身の即興演奏に対する絶対的な自信を感じさせました。

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第一章:圧巻のオープニング、アニメソングの「思い出補正」を撃ち抜く

万雷の拍手の中、ハラミちゃんはトレードマークの笑顔で登壇しました。余計な言葉はなく、ピアノの前に座ると同時に放たれたのは気迫あふれる〈千本桜〉。一音目から会場のボルテージは最高潮に達し、一糸乱れぬ手拍子が楽曲を押し進めます。驚くべきは、超絶技巧を披露しながらも、彼女が絶えず観客とアイコンタクトを取り、笑顔を絶やさないこと。その姿からは、ピアノへの純粋な愛が溢れ出していました。

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「リーホー!ジャッパメイン(こんにちは!ご飯食べた?)」と台湾語で挨拶し、一音一音丁寧に準備された中国語のメッセージで語りかける姿に、台湾のファンへの深いリスペクトが伝わります。

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続くアニメセクションでは、まさに「黒白鍵の魔法」が炸裂。『スラムダンク』の〈君が好きだと叫びたい〉から『名探偵コナン』への鮮やかな繋ぎ。そして〈残酷な天使のテーゼ〉や〈紅蓮華〉では圧巻のオーラを放ちました。ハイライトはアニメセクションの最後、新海誠監督の『君の名は。』の主題歌〈前前前世〉でした。一度は音楽を離れた彼女を再び引き戻した「人生を変えた曲」という言葉通り、その演奏にはひときわ強い情感がこもっていました。

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第二章:奇跡の即興リクエスト、伍佰(ウー・バイ)と坂本龍一の神リミックス

リクエストコーナーでは、まさに「天才」の所作を目の当たりにしました。嵐の〈Love so sweet〉やYOASOBIの〈夜に駆ける〉、坂本龍一の〈Merry Christmas Mr. Lawrence〉に混じって現れたのは、台湾のロックレジェンド・伍佰の〈你是我的花朵〉!

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未知の楽曲を前に一瞬困惑の表情を見せたものの、そこからの音楽的本能は凄まじいものでした。現場で初めて音源を2回聴いただけで譜面を完璧に把握し、わずか1分で5曲のメドレーを構築。坂本龍一の旋律をベースに伍佰のフレーズを織り交ぜるという「神業」に、会場は完全に征服されました。

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第三章:ジブリとJ-POP、至高の優しさ

狂騒のリクエストコーナーから一転、後半は温かなジブリの世界へ。『ハウルの動く城』から『千と千尋の神隠し』、そして『天空の城』を基底に数々の名曲を編み上げたメドレーは、まさに幻想的な冒険のようでした。さらに米津玄師の〈Lemon〉や一青窈の〈ハナミズキ〉では、一音一音が魂の奥深くまで染み渡るような温もりに包まれました。

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エピローグ:台湾へのラブレターと最高の別れ

アンコールでは、〈流星雨〉や〈月亮代表我的心〉など、台湾で愛される名曲メドレーを披露。そして〈我只在乎你(時の流れに身をまかせ)〉で優しく締めくくられました。

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終演後、会場に流れたのはYouTubeチャンネルでお馴染みのエンディング曲。まるで観客全員を巻き込んで一本の大きな動画を完成させたかのような演出に、会場は一体感に包まれました。彼女の指先から放たれる光は、音楽が世界で最も純粋に喜びと温もりを伝える言語であることを、私たちに教えてくれました。

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