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桑田佳祐も魅了された湘南のスモーキーヴォイス:R&Bシーンの大本命、さらさ

2026.04.18

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もしプレイリストが R&B やリズムミュージックで溢れていたり、irやFriday Night Plansのようなアーティストが好きなら、今すぐ「さらさ(Salasa)」を知っておくべきだ。

現在の日本の音楽シーンにおいて、アンニュイさとブラックミュージックのグルーヴをこれほど完璧に融合させた新人は極めて稀だ。湘南出身の彼女の歌声は、潮風と海塩の粒立ちを含んだような質感を持ち、その圧倒的な存在感を放つ中低音の「スモーキーヴォイス」と憂いのあるソウルは、クールであると同時に、都会の喧騒を突き抜けるような魔力を秘めている。

Live Bluesy:憂鬱を最もクールな生き方に

さらさの音楽を聴くと、どこか「受け入れられている」ような感覚に陥る。ブルースに深く影響を受けた彼女は、「Live Bluesy(ブルージーに生きろ)」という独自のライフスタイル美学を提唱している。それは悲しみを許容し、日常のローテンションや暗闇を創作の糧にするという考え方だ。無理にポジティブでいようとしたり、誰かに媚びたりする歌声ではなく、自身の不完全さを主体的に受け入れている。

今年初めには、ドラマ『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』のエンディングテーマとして新曲「YOU」を書き下ろした。リリース後、SNSでは「今日もこの曲に救われた」という声が多く寄せられている。リアルで独特なライフスタイルと音楽を通じて、現代を生きるユース世代にとって最も安らげる「魂の避難所」となっている。

湘南からFUJI ROCKへ、多才なジャンルを昇華する緻密な歌声

さらさの音楽が人々を魅了してやまない理由は、そのボーダレスな音楽的視野にある。2021年のデビュー以来、独自のR&Bとソウルを掛け合わせたスタイルで日本のインディーシーンを席巻してきた。

彼女の作品を紐解くと、制作陣の層の厚さに驚かされる。

2024年リリースの2ndアルバム『Golden Child』では、現在の日本リズムミュージック界で絶大な信頼を得るクリエイティブチーム「w.a.u」のプロデューサー Kota Matsukawa をはじめ、名ギタリスト西田修大、新鋭プロデューサー uin らとタッグを組んでいる。アルバムでは、彼女の独特な創作視点や心境を覗き見ることができると同時に、多彩な音楽性を堪能できる。一足飛びに「祝福」のようなポップスを聴かせたかと思えば、「遠くまで」では昭和歌謡のようなノスタルジーを感じさせる。この一枚を聴けば、あらゆるジャンルを自在に乗りこなす彼女の実力と、なぜキャリア初期にしてFUJI ROCKなどの大型フェスのステージを制覇できたのかが理解できるはずだ。

桑田佳祐が選ぶ年間1位、ついに迎えるブレイクの年

さらさがインディーズシーンから一躍メジャーな存在へと躍り出たのは、2025年秋のことだった。

「青い太陽」「Thinking of You」とシングルを立て続けにリリースすると、日本のSNSでは「日本にもこんなにクールなR&Bシンガーがいたのか!」と瞬く間に話題となった。中でも「Thinking of You」はYouTubeでの再生回数が220万回を突破。さらには、日本を代表するバンド・サザンオールスターズの桑田佳祐氏が自身の「2025年邦楽ベスト1」としてこの曲を選出したことで、その名は全国区となった。

また、この楽曲のビジュアル面も称賛に値する。写真家の松岡一哲氏を監督に迎え、全編8mmフィルムで撮影されたMVは、粗削りながら温かみのあるレトロな質感が彼女のスモーキーな歌声と完璧に調和している。まさに、何度でも繰り返し観たくなる傑作だ。その後、主要メディアによる「2026年ネクストブレイク・アーティスト」にも軒並み選出され、今の彼女は日本の音楽界において無視できない存在となっている。

スタジアムへ駆け上がる前に、最も貴重な至近距離での出会い今、最も熱い視線を浴びるR&Bの新星が、6月21日にBillboard Live TAIPEIへ初上陸する。彼女がより大きなステージへと羽ばたいていく直前の今、その音楽的魅力とライブの爆発力を「至近距離」で体感できるこの機会は、間違いなく貴重なものになるだろう。イヤホンの中で繰り返すだけではもったいない。6月21日、会場に足を運び、BBLTPという至高の音響空間で、あなたの疲れをさらさに委ねてみてほしい。彼女の音楽が、あなたの不完全な部分をすべて優しく受け止めてくれるはずだ。


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