

神奈川県は東京の南西に位置し、TENDRE(河原太朗)は音楽一家に生まれ育ちました。父はジャズ界で名高いベーシスト・河原秀夫、母は歌手の河原厚子。かつてのインタビューで19歳だった自分へ宛てた手紙の中で、彼はこう綴っています。「後悔は後退ではなく、その過程を味わい深くするスパイスのようなものだ」と。
幼い頃、彼は父がベースの講師を務める専修学校に通っていました。学校では父と多くを語ることはありませんでしたが、帰りの車の中では、いつも親子二人で同じ時間を過ごしたといいます。それは彼にとって、とても特別な経験でした。
おすすめ曲 1:SOUL
TENDREの音楽からは、ThundercatやDijon、Jerome Zuckerといった現代の素晴らしいアーティストたちへの共鳴が感じられます。
音楽の道へ深く進む中で、彼はコンピューター・ミュージックを学ぶために音楽大学へと転入しました。そこでPA(音響エンジニアリング)やLogic(制作ソフト)の使い方を習得。この経験が、彼の音楽が持つ「鮮やかさ」と「洗練されたキレ」の鍵となっています。頭の中にある音をコンピューターを通じて具現化する——それは伝統的なウッドベース奏者である父から受け継いだものとはまた別の、彼独自の武器となりました。当時の転学という選択には、きっと少なくないプレッシャーや不安もあったはずです。
おすすめ曲 2:RUNWAY(Official Visualizer)
彼が語った二つの言葉が印象に残っています。「年齢や性別を問わず、誰かの考えを想像するのはとても楽しい。もし誰かと一緒にクリエイティブなことができれば、それはコミュニケーションそのものであり、最高に面白いことだ」 そして「音楽やアートに完璧な最終形などない。自分の本能を信じて、動き続けることが大切だ」。 音楽という訓練が彼のインスピレーションを刺激し、その耳は音楽そのものから「アートとは何か」という領域まで広がっているようです。TENDREは今、その探求の旅を心から楽しんでいるように見えます。
おすすめ曲 3:情けない日々、私
ギター一本でコード進行を奏でる、シンプルで美しい一曲。彼の真摯な想いが音楽として形作られていくのを肌で感じることができます。
TENDREにとって、音楽は常にすぐそばにある「家族」のような存在です。そんな神奈川が生んだ、真情あふれるアーティストを台湾に迎えられることを嬉しく思います。
3月1日の夕暮れ時、Billboard Live TAIPEIで、彼と「心の交換」をしてみませんか。
